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睡眠が上手く取れない。睡眠障害とはどんな症状?

カラダ
YOKARE編集部
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睡眠が上手く取れない。睡眠障害とはどんな症状?

長期的に睡眠が上手く取れないと、人間関係や社会生活に影響を与えてしまいます。常に疲労感を感じ、日常生活もできなくなることもあります。
また、睡眠障害とは、睡眠の質、入眠のタイミング、睡眠時間に影響を及ぼし、起きている間に適切に機能する能力に影響を与える状態を指します。

この記事では、日本や現代社会における睡眠障害と、睡眠障害の症状について紹介します。

もしかして睡眠障害かな?と心当たりがある方は、睡眠障害の症状に当てはまるか確認してみましょう。

日本人の睡眠時間の推移と原因

NHK 放送文化研究所が行っている 5 年ごとの国民生活時間調査によると、日本人の平均睡眠時間は 1960 年では 8 時間13 分であったのが、2005 年には 7 時間 22 分と約 1 時間短縮しました。

2021年の睡眠時間についてみると、「6 時間以上~7 時間未満」が 34.7%(男性 35.1%、女性 34.3%)と最も多く、次いで「5 時間以上~6 時間未満」が 23.9%(男性 21.4%、女性 26.2%)、「7 時間以上~8 時間未満」が 15.9%(男性 19.3%、女性 12.8%)の順となっています。[※1]

また、2021年に、経済協力開発機構(OECD)が33ヵ国を対象に行った調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、OECD30カ国のうちで最下位でした。全体の平均である8 時間 28分より1時間 以上短いことが報告されています。[※2]

2000年の保健福祉動向調査では、睡眠時間が確保できない理由として、男性では「仕事・勉強・通勤・通学などで睡眠時間がとれないから」が 40.2%で最も多くなっています。女性では「悩みやストレスなどから」が 30.4%で最も多く、若年世代(25~34 歳)では「育児のため」が30.5%と最も多くなっています。[※3]

睡眠障害とは、どんな症状のことですか?

ほとんどの睡眠障害は、次の兆候のうち 1つまたは複数が該当します。あなたは睡眠障害の兆候、いつく該当しますか。

  • 眠りにつくのが難しいと感じる
  • 夜に長時間起きていて横になる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 早く目が覚めてしまい、再び眠れなくなる
  • 日中起きているのが難しいと感じる
  • 概日リズム(約24時間のリズム)が不均衡で、健康的な睡眠スケジュールが妨げられている
  • 睡眠を妨げる異常な行動をする傾向がある(睡眠中に、突然歩いたり大声を出したり、食べたり暴れたりする)

睡眠障害の疑いがある場合は、すぐに診断と治療を受けることが重要です。治療せずに放置すると、睡眠障害の悪影響がさらなる健康被害につながる可能性があります。

睡眠障害はどんな悪影響ができますか?

長期にわたる睡眠の問題は人間関係や社会生活に影響を及ぼし、常に疲労感を感じたり、食べる量が増えたり、日常生活ができなくなったりすることがあります。
下記は、睡眠障害による影響としての兆候です。

  • イライラや不安
    イライラや感情のコントロールの難しさなど、気分の変化が起こります。イライラして精神的に疲労する可能性があります。
  • 職場や学校でのパフォーマンスの低下(体力不足/記憶力の低下/集中力の欠如)
    夜の睡眠をしっかりととれば、何をするにも元気が湧いてきます。しかし、睡眠が不足すると、落ち着きがなくなったり、イライラしたり、頭痛を引き起こしたり、目の前の仕事に集中することが困難になったりすることがあります。
  • 日中の眠気
    頻繁に日中に昼寝をしたり、日常的な作業をしながら眠ってしまったりします。日中の過度の眠気は、十分な睡眠が取れていないという警告サインです。
  • 運転中の眠気
    運転中の眠気は多くの睡眠障害の特徴です。
  • 体重の増加
    体重増加は代謝異常の兆候である可能性があります。睡眠障害はインスリン抵抗性や糖尿病のリスクを高めます。
  • 血圧の上昇
    血圧の上昇は、特に不整脈などの心血管症状が治療されていない場合、心臓発作や脳卒中のリスクを高める可能性があります。

1つ以上あてはまる人は、睡眠障害がないか検査を受けることを検討すると良いでしょう。

長期にわたる睡眠障害は、「うつ病や精神疾患のリスク増加」「脳卒中や喘息発作のリスク増加」「激しい気分の変動」「事故や転倒」をもたらす可能性があることがわかっています。

どんな人が睡眠障害になりやすいの?

「高齢」、「健康的ではない」、「精神的ストレス」、「ストレスへの対処不良」、「運動習慣がない」、「雇用されていない」などの要因をもつ人々で不眠が多くなります。

例えば、具体的には下記のようなシチュエーションには注意が必要です。

  • ストレス
    失業や異動、死別、離婚、引越しなどの人生の大きな出来事/周囲の騒音、光、温度など
  • 睡眠スケジュール
    時差ぼけ、仕事での新しいシフト、睡眠スケジュールの変更 
  • 遺伝子
    研究によると、家族内に不眠症の傾向がある可能性があります。

睡眠に問題を感じたら、まずは病院へ

睡眠に問題があっても、なんとか生活はできてしまうものです。人間関係の悪化や仕事のパフォーマンスの低下も睡眠が直接的な原因とは考えにくいため、緊急性を感じない不調とも言えます。しかし、長期間も放っておくと、人間関係や仕事でも大きな問題になり、治療するためにも時間を要してしまうものです。
例えば、会社でパワハラの被害にあっていてストレスを感じていた場合、日に日に睡眠が上手く取れなくなり、日中に集中力の低下や鬱の症状が…。こうなった時にはパワハラは健全な時よりも一層辛く感じ、鬱状態を加速させます。このような状態になると、「卵が先か、鶏が先か」のような話になり、「パワハラが原因なのか、睡眠不足が原因なのか」もわからなくなってしまいますよね。負のスパイラルに陥る前に、もし睡眠に違和感があれば、早めに病院に行き、治療を始めましょう。

なかなか不眠の原因を探ることに時間もかかりますし、複数の要因がある場合もあります。ただ、治療しなければという自覚があれば、ご自身でも不眠の原因を生活から少しずつ取り除き、治療にも前向きに取り組めます。

睡眠時無呼吸症候群レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)などの睡眠障害によることも少なくないが、その本質的な原因は骨格、ストレスや食生活などさまざまです。

参考資料

e-ヘルスネット>不眠症|厚生労働省

良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと|厚生労働省

※1 令和3年度 健康実態調査結果の報告

※2 経済協力開発機構(OECD)

※3 平成12年 保健福祉動向調査の概況

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