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筋膜リリースの方法と筋膜リリースを行う際の注意点

カラダ
倉持江弥
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筋膜リリースの方法と筋膜リリースを行う際の注意点

デスクワークによる肩こりや立ち仕事での腰痛など、同じ姿勢が続くとどんどん体は凝り固まってしまいます。

体をケアする方法として自分でストレッチをしたり、マッサージを受けにいくというのが一般的でしたが、最近では筋膜リリースで体をほぐすという方法が広まってきました。

一言に筋膜リリースといってもやり方はさまざまで、間違ったやり方をしてしまうと逆に痛みが強くなってしまうというリスクもあります。この記事では筋膜リリースの基本的な考え方とやり方について解説します。

筋膜リリースとは

最近、流行りの筋膜リリースとは簡単にいうと、全身を覆っている筋膜の緊張をほぐすことで柔軟性や可動性を向上させて、痛みや違和感を軽減する方法になります。

筋膜とは全身を覆っている膜のこと。(狭義の筋膜は筋繊維を包む筋内膜、筋周膜、筋外膜のことを指しますが、大きなところでは体全体を包む膜です。)

筋肉は一つ一つがバラバラになっているものの、それらを覆っている筋膜があることで身体を連動させて動くことができます。

動き方にクセがあったり、同じ姿勢が続いてしまうと、筋膜がよじれてしまって変な形状で固まってしまいます。たとえば歩いていてスカートが片方にくるくる回ってしまったり、靴底が片方だけ削れてしまったり。そういったクセがどんどん身体に染み付いて、筋膜も変な方向にねじれてしまうのです。

ねじれた筋膜はその奥にある筋肉とへばりついてしまって、ストレッチやマッサージだけではなかなか改善されません。筋肉と筋膜のすべりのことを滑走性と呼ぶのですが、滑走性をあげるために筋膜リリースという方法を使い、それによって可動域や柔軟性を取り戻すことが目的となります。

筋膜リリースのメリット

大きく分けて3つのメリットがあります。

①血行促進

筋膜リリースにより血流が改善されて、酸素や栄養素が体のすみずみまで届きやすくなります。

②疲労回復

筋膜の緊張がほぐれることで疲労物質が流れやすくなり、疲労の軽減につながります。

③パフォーマンス向上

スポーツ選手であれば関節の可動域が上がったり出力が上がってパフォーマンスの向上を実感できますし、スポーツをしていない方でも日々の生活が楽になってQOLの向上が期待できます。

筋膜リリースを行う際の注意点

世の中にはたくさんの方法が出ていますが、しっかりと注意して行えば効果があります。逆にいうと何も考えずにダラダラやっていると体を痛めてしまう可能性もあるので気をつけてください。

注1)強すぎる圧を使わない

痛い方が効果があると思い込んで、歯を食いしばりながら我慢している方を見かけますがこれは逆効果です。痛みが強いと体には防御反応が働きます。

一瞬ゆるんだ感覚を得ることがありますが、これは痛みを感じるセンサーが反応しなくなって起こるもの。これを繰り返すと、次はさらに強い刺激を求めてしまって最終的には体はコッているけど痛みを感じないというところまでいってしまうので気をつけましょう。

注2)長時間行わない

人によっては気持ちいいからと、2〜3分続けてやっている人も見受けられます。確かに気持ちはいいですが、やりすぎると筋線維がつぶれてしまって終わった後から徐々に硬くなってしまうことが多いです。

強い圧を使うのと同じく、痛みのセンサーが反応しなくなってしまうので1箇所につき20~30秒ほどの物足りないくらいでやめておきましょう。

注3)やりっぱなしにしない

凝っている筋肉をほぐすのはもちろん気持ちがいいです。しかし、ほぐしっぱなしにしてしまうとせっかく筋肉が持っている縮む力を損なってしまいます。

筋肉は伸び縮みをしてこそ能力を発揮してくれます。ある程度ほぐしたら、簡単なエクササイズでいいので体を動かすようにしましょう。これだけで体はいい状態をキープすることができます。

筋膜リリースの方法

いろいろな方法がある中での一例としてご紹介します。

ストレッチと手の組み合わせ

何も道具を使わずにできますし、何よりも安全にできるという点でまずこちらのやり方を紹介します。

筋膜リリースの一番の目的は、筋膜と筋肉の間の滑走性をよくしてあげること。そのために一番簡単にできる方法がこちらです。

まず、痛みや張りを感じる部分を軽く手でつかむようにして圧迫します(掴むのではなく、あくまで軽くでOKです)。

その圧をかけたまま筋肉を動かしていきましょう。

例えば、ふくらはぎに硬さを感じているとしたら、まずふくらはぎとアキレス腱の間の部分にタッチをして軽く圧迫します。

ストレッチと手の組み合わせた筋膜リリース

この時に軽く膝裏方向に引っ張ってあげてもいいでしょう。

前述の通り、筋肉は伸び縮みをしてこそ能力を発揮します。足首の曲げ伸ばしをゆっくりと10~20回行います。これだけで足首まわりが楽になるの感じるのではないでしょうか。

かっさ(刮痧)を使う

金属製のかっさのようなもので皮膚を擦ることも筋膜リリースの一つの方法です。「ストレッチと手の組み合わせ」の方法では皮膚(筋膜)を手で固定して、中の筋肉を動かすことでリリースをしましたが、この方法では直接皮膚(筋膜)を動かすことでリリースを行います。

かっさ(刮痧)筋膜リリース

100均などではプラスチック製のかっさも売っていますが、軽いと皮膚に当てるために少し力が必要になります。スプーンの柄などでも代用できるので、太ももや首まわりなど手の届くところで試してみてください。

服の上からで結構ですので、皮膚に軽く押し当てて1箇所につき20~30往復ほど擦ると表面的に温かくなってきます。これは中で滑走性がでて動きがよくなっている証拠です。

フォームローラーでコロコロ

より広い面にアプローチしたい時はフォームローラーを使うのもアリです。ただし、注意点でもお話しした通り、強い圧や長すぎる圧はNG。特に張りやすい太ももの外側は痛みを感じやすいですし、固まりやすいので使わないようにしてください。

フォームローラーでコロコロ筋膜リリース

背中やふくらはぎ、脇などは、比較的使いやすいので、フォームローラーで試してみてください。終わった後はコロコロした部位を軽く動かしてあげたりして、緩みっぱなしにならないようにすることも忘れずに。

テニスボールでコロコロ

よりピンポイントで狙いたい時はテニスボールを使うようにしましょう。もしかしたら、もっと強い刺激が欲しいとゴルフボールや硬球でやっている方もいるかもしれませんが、強すぎる圧は筋線維をこわす可能性がありますし、そもそもそれくらいの圧を欲しているということは痛みセンサーが反応していない可能性もあります。

テニスボールでコロコロ筋膜リリース

テニスボールくらいの刺激でも十分ですので、刺激を強くするのではなく、刺激を入れた後に動かすことで筋肉を正常に戻していくように心がけましょう。

テニスボールはあくまで刺激の一つとして。テニスボールだけで緩めるのではなく、動くための準備として考えていただけるとリスクが低くなります。

筋膜リリースは強すぎる刺激は逆効果、補助的に

筋膜リリースは体に大きな効果が期待できるものの、強すぎる刺激は逆効果になるリスクも十分に考えられます。体がコリすぎてストレッチができない、思い通りに伸ばせないという時の補助的なものとして考えていただけると安全に行うことができるようになります。
 

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