大量に届く「みかん」を美味しく食べる保存方法と活用法
みかんはインドが原産で、日本では愛媛や和歌山、静岡など温暖な地域で栽培されることが多い果物です。「冬はこたつでみかん」と日本でも昔から親しまれている果物ですが、今回はそんなみかんに含まれる栄養、保存方法、選び方や料理やスイーツへの活用法についてご紹介します。
栄養面でもおすすめのみかん
みかんにはビタミンCやβクリプトキサンチン、食物繊維、ビタミンPなどが豊富に含まれています。
- ビタミンC
ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンを作る働きがあり、美肌作りに欠かせない栄養素です。また、免疫力を高める効果もあるため風邪の流行しやすい冬の時期にみかんからビタミンCを摂取することはとても有効です。調理の手間もなく、皮をむけばすぐ食べられて持ち運びに便利なのもみかんのメリットですね。 - βクリプトキサンチン
βクリプトキサンチンはカロテノイド色素の一種です。特に温州みかんに多く含まれていると言われています。抗酸化力が高く、皮膚や大腸、肺などの抗発がん作用も認められています。また、血液中のβクリプトキサンチンの濃度が高い女性は閉経後、骨粗しょう症になりにくいとの研究もされています。健康維持のためにもみかんからβクリプトキサンチンを摂取していきたいですね。
国産カンキツ類に多いβ-クリプトキサンチンと機能性食品の開発生鮮物で初めての機能性表示食品|公益社団法人日本農芸化学会
ウンシュウミカンに多いβ-クリプトキサンチン血中濃度が高い閉経女性は骨粗しょう症になりにくいことが明らかに|農研機構 - 食物繊維
食物繊維には、お腹の調子を整え便秘を解消する効果や血糖値の上昇を抑制する働き、血液中のコレステロール値を低くする働きなどがあります。特にみかんの小房の皮やすじに多いので、取らずに食べるとより良いです。 - ビタミンP
ビタミンPとは、あまり聞きなれないビタミンの種類かと思いますが、正式にはフラボノイドという色素の総称です。具体的にはルチンやヘスペルジン、ケルセチンなどがあります。ビタミンPにはビタミンCの吸収率を高め、毛細血管を強化する作用や、血流の改善効果、悪玉コレステロールの低下、免疫力アップなどの効果があります。
みかんの保存方法ポイント
どっさりと届いたり、箱で購入したりすると大量なみかんを食べることになります。腐らせずに食べるには、みかんはどのように保存すると良いのでしょうか?常温で保存できるイメージがありますがいくつかポイントもあります。
冬ならば常温で
みかんの保存方法として、冬であれば常温保存で大丈夫です。直射日光があたらず、暖房の付いていない風通しの良い場所に保管します。ヘタが下になるように置いておくと良いです。1〜2週間ほどもちます。
春や秋は野菜室で
春や秋にもみかんが出回ることがありますが、室温が15℃を超える場合には、冷蔵保存がおすすめです。乾燥を防ぐため、新聞紙やキッチンペーパーに包み、さらにビニール袋に入れ、野菜室で保存すると良いです。
長期保存する場合は冷凍で
みかんを冷凍すると1か月から2か月ほどもちます。
皮ごと冷凍しても、皮をむいてから冷凍しても大丈夫です。
皮ごと冷凍する場合、2回凍らせることがポイントです。一度皮ごと冷凍した後、水にくぐらせて再度冷凍させます。こうすることで、みかんの美味しさが抜けてしまうことを防ぎます。
皮をむいて冷凍する場合は、ラップに包んで冷凍します。小房に分けた場合は1粒ずつ包んで冷凍します。
みかんのそのまま食べる以外の使い方
みかんというと皮を剥いてそのまま食べるのが一般的ですが、料理やスイーツの材料としても使うことができます。大量に届いた「みかん」を色々な方法で食べることができれば、飽きることもありませんよね。
- ドレッシングとして
皮、薄皮などを取り除き、レモンや酢の代わりにドレッシングに使うと酸味は少なく甘みの感じられるドレッシングになります。お子様でも食べやすいのでおすすめです。
- マリネにも
かぶや大根と一緒に酢とオリーブオイル、塩こしょうと和えれば彩り鮮やかなマリネにも使えます。みかんを輪切りにするとより一層華やかな見た目に仕上げられます。
- マーマレードに
みかんの重さの6割ほどの砂糖を加えて煮るとマーマーレードを作ることもできます。
この時、みかんの皮も加えるとペクチンの働きでほどよくとろみがつきます。
みかんがたくさんあって消費しきれないという時はぜひ試してみてください。
- みかんの皮も有効活用
捨ててしまいがちなみかんの皮ですが、乾燥させるとことでぐっと用途が広がります。乾燥させて入浴剤として使ったり、お茶やお菓子作りでパウンドケーキやクッキーなどに加えるとみかんの香りがふわっと香るスイーツができます。
ただし、皮には農薬やワックスなど付着していることもあるので、無農薬のものか確認してから作りましょう。
作り方をご紹介します。
1.まず、みかんの皮が乾燥しやすいように千切りにします。
2.ザルやネットに広げて天日干しします。水分がなくなり乾燥するまで4日以上干しましょう。
3.カラカラに乾いたら、乾燥剤を入れた密閉容器に入れて保存します。
おいしい「みかん」の選び方
- ヘタは黄色がかった緑色でなるべく小さいものが良いです。
- 皮の橙色が濃く、鮮やかでツヤのあるものを選びましょう。
- 皮が薄く、きめの細かいものが良いです。
- 皮がしまったものを選びましょう。ふかふかで浮き上がっているものは新鮮でありません。
食べ過ぎは糖質量も気になるみかんですが、1日1個を目安に取り入れて、冬を元気に過ごしていきましょう。