日本人の主食・お米を考える
炊き立てのご飯の香り、ふっくらと艶やかに炊き上がったご飯を口にはこんだとき、何とも言えない幸せ感を感じたことはありませんか?
ご飯は日本人のソールフード。それなのに、日本人のお米の消費量が減少している現実があります。そこでお米のことを考えてみました。
なぜ、日本人の主食は米なのか
米がたくさん穫れたから、という単純な理由です。それだけではなく日本人の体質や口に合っていたということもあるでしょう。
稲は東南アジアが原産で、弥生時代、日本に入って来たと言われています。稲の成育には梅雨があって、亜熱帯性の夏があってという日本の気候が適していたことと、穫れすぎても長期保存ができることが米を重要な食糧としてきたのです。
江戸時代に入ると、米の収穫量が著しく増え、武士の俸給が石高制度といってお米で支払われていたこともあって、食文化の中心が米になりました。
- 江戸時代 一人一日当たり 450g(3合)
- 現代 一人一日当たり 150g(1合)
江戸時代の副菜はお味噌汁と漬物、ご飯をお腹いっぱい食べてエネルギー源としたのでしょう。
明治期になって欧米の文化が入ってきて、多少食文化にも変化はあったが、米が主食であることには変わりませんでした。
近年では1962(昭和37)年をピークとして、米の消費量は減少し続けています。
現代の日本人の主食は?
日本人の米離れがメディアに取り上げられるようになったのは、2001(平成13)年からで、その年一人当たりのお米の消費量が100㎏を切りました。1962年に一人当たり118.3㎏あった米の消費量は、2022年には50.7㎏に減少しています。
下記の表は農林水産省が発表した2021年の「食生活・ライフスタイル調査」です。
日本人の米離れは明らかで、その原因としては食生活の多様化、少子高齢化、共働きや単身世帯が多いことなどが挙げられています。米離れは農業(耕作地放置や食料の自給率の低下)や経済だけではなく、文化や健康の問題でもあるのです。