美白の基本はシミ予防!甘草エキスの美白効果
美白有効成分ではビタミンCやコウジ酸やアルブチンなど厚生労働省も承認したものがよく知られていますが、生薬で有名な甘草には一般的な美白成分以上の美白効果があります。日本では、甘草はグリチルリチンとグラブリジンの原料として使われています。化粧品、入浴剤、シャンプーなどに配合され、「油溶性甘草エキス」「グリチルリチン酸ジカリウム」「甘草由来成分」「甘草エキス」などと表記されています。
美白成分として注目の甘草は、実は身近な成分
甘草(カンゾウ)は生薬の王と称され、世界中で利用されている薬草です。
甘草の根を乾燥させた生薬は、漢方では有名で、たくさんの漢方薬に配合されています。また、甘草の主成分であるグリチルリチンは強い甘味を持ち、甘味料として使用されることも多く、ポテトチップスにも甘味料として使われています。日本では、醤油、味噌、漬物の甘味料、海外でも飲料やリキュールの添加物として使われています。
4つ美白アプローチ
美白やシミ予防のアプローチは、主に4つあります。美白ケアの基本はシミ予防と考えることができます。美白とは、肌の色を濃くしているメラニンを抑制したり、排出したりすることで実現します。下記は、美白やシミ予防への主なアプローチです。
美白やシミ予防4つのアプローチ
- メラニンの生成を抑制する
- 肌のターンオーバーを整えて、メラニンを排出する
- メラニンを還元して、白くする
- メラニンを分散させる
成分によって、美白へのアプローチや作用は違います。自分の肌の状態に合わせて、どのアプローチが有効かを考え、アプローチに有効な成分を選ぶようにすることが美白のポイントです。
甘草エキスは、メラニンの過剰生成を抑える力があり、美白成分として注目されています。
甘草エキスの美白効果
油溶性甘草エキスの美白作用は、甘草の根にごく微量含まれるフラボノイド「グラブリジン」によりもたらされます。
美白有効成分でビタミンCやコウジ酸やアルブチンなどがよく知られていますが、甘草は一般的な美白有効成分との比較において非常に強いメラニン産生抑制作用を示します。
メラニン色素をつくり出す色素細胞(メラノサイト)が持っている酵素でメラニンの生成にも関わるチロシナーゼ。甘草に含まれるグラブリジンは、このチロシナーゼを阻害することで、メラニンの生成を抑える働きをします。
チロシナーゼ活性阻害作用は極めて強く、アルブチンとの比較においてもおよそ50倍の阻害作用の強度を示したという結果も出ています。
また、生薬の甘草(カンゾウ)に含まれる成分「グリチルリチン酸」には、抗炎症作用、抗アレルギー作用などがありますが、グリチルリチン酸は水に溶けないエキスです。このままでは化粧品に配合できないため、水に溶けやすいカリウム塩にしたものをグリチルリチン酸2k(グリチルリチン酸ジカリウム)といいます。
グリチルリチン酸2kは、消炎効果が高く、抗炎症作用、抗アレルギー作用、線維芽細胞増殖作用があります。美容面ではニキビや肌荒れやアレルギーの改善の効果が期待され、基礎化粧品や日焼け止めに配合されています。また頭皮の炎症抑制作用もあるため、シャンプーなどのヘアケア用品にも配合されています。